たまには日本経済の状況も把握しておきましょう。
日本の経済指標は、直接相場には影響することは少ないですが、いろんな国を定点観測しておくと違った角度からひらめくこともありますので、たまに見ておくといいです。
といっても自分で調べるほどではないので本記事のようなまとめをさらっと読み流す程度でいいですw
2020年第3四半期の日本の実質GDP(付加価値)
20年Q3の日本の成長率は、前期比年率+21.4%でした。
成長率を要因分解し、どれだけ成長に貢献したかがわかる「寄与度」でみると個人消費(棒グラフの赤い部分、民間最終消費支出)と純輸出(オレンジの部分)が伸びたことが見て取れます。

あと地味に水色の政府支出が+2.1%ptと奮闘しています。これは何かというとGo Toトラベルによって政府が補助金を出した分を計算にいれているわけですね。
ですので一応経済にはプラスに寄与しているということです。これがなかったらもう少し弱い回復になっていたかもしれません。
※ちなみに政策の良し悪しを評価しているわけではないです。当期に政府支出が増加したからプラス寄与になったという事実だけを説明しているのでご了承ください。
じゃあ日本って景気いいの?
前期比年率で+20%超と聞くとすごい成長率だと思えますが、注意が必要です。
前期に28.8%GDPが落ち込んでいるため、少しでも成長したらとても高い成長率がでてしまう、ということです。
では今の実力がどんなものか、前期比を計算する前の金額を見てみましょう。

そうなんです。GDPの実額でみるとコロナ発生前の水準に届いていないんですね。
しかも点線を引いた19Q4を思い出して見ると、19年10月に消費税が引き上げられた影響でマイナス成長になった時でした。
日本経済は消費税引き上げによる景気の落ち込みから回復していない状況でコロナに見舞われたということです。
さすがに4-6月期よりは回復しましたが、水準で見るとまだまだ景気が回復したとは全く言えない状況ということですね。
純輸出は海外景気が回復している証拠
冒頭に書いたとおり日本の経済指標は相場に直接影響を与えることは少ないですが、日本の指標を通して海外の状況がわかります。
一番わかりやすいのは輸出です。輸出はどんなに日本が頑張っても輸出先の海外の景気が悪ければ売れにくくなりますから、輸出が伸びているということは海外景気が回復していることを意味します。
先程の寄与度のグラフでは純輸出が大幅にプラスとなっていました。ここを少し掘り下げてみてみましょう。

これは9月の貿易統計の地域別の数字です。これをみると中国への輸出はめちゃめちゃ伸びてるなーとか、EUは相当悪いんだなぁとか日本の統計からわかります。
特に中国は統計が少なかったり、信ぴょう性に問題があるとも言われていますから、こうして他国の統計から確認することもできるわけです。
ちなみに10月以降は海外で感染拡大してロックダウンにも発展していますから米国と欧州の需要は見込めなさそうですね…。
まとめ
・20Q3の日本は前期と比べて高い成長率を記録した
・でも去年と比べるとまだまだ十分に回復していない
・輸出から他国の経済をみることができる