日経平均が急騰しています。なぜこんなに上がっているのかちょっと不思議だったので調べてみました。そうすると11月に入ってから海外投資家が買い進めていたことがわかりました。
日経平均、TOPIXが急騰!
11月に入って突然日経平均が急上昇しました。新聞では連日29年ぶりの高値だということを報じています。

日本経済、企業の業績はそこまで良くない
ただちょっと立ち止まって考えてみると、日本経済は29年ぶりの好景気というわけではないです。GDPだってこの通り、コロナ前を全く回復できていません。

コロナ前も消費増税でマイナス成長になっており、好調とはいい難い状況でした。
企業業績だって、コロナで恩恵を受けた企業はあるものの、コロナ前は利益が減少傾向でした。

しかも今はじわじわと円高が進んでいます。コロナ前の高値の時は110円付近で推移していました。その時は円高になると円建てにした企業業績が低くなるので株価にとってはマイナスだったはず。
それが今や円高でも株価があがっていますので前とは少し状況が変わっているのかもしれません。
では、なぜ買われているのでしょうか。
海外投資家が日本株を買っている
そこで、まず事実として誰が買っているかということを見てみましょう。

個人や金融機関では、投資の考え方も違いますよね。誰が買っているか把握すれば少しは買っている理由を想像できるかもしれません。
このグラフは東証が発表している投資家別の売買動向です。各投資家の買い、売りの金額を差し引いた数字で、プラスにでていれば買い越し、マイナスであれば売り越しを示しています。
これを見ると、国内の個人投資家、法人が売ってそれを全て外国人投資家が買っている構図がみられます。
外国人投資家が日本株を買う理由
外国人が日本株を買う理由を考えてみましょう。
まず大前提として大規模金融緩和で世界的にカネあまりの状態が続いています。特に米国の金融緩和はとてつもない金額ですから、そうして余ったマネーがいろんな資産に流れています。
ですが、それならもっと早くに日本株にも緩和マネーが入ってきてもいいはず。なぜこのタイミングなんでしょうか。私なりに理由を考えてみました。
日本株上昇理由①:コロナ感染が相対的に少ない
日本でも最近コロナ感染が大幅に拡大していますが、欧米と単純な数だけ比べると日本の方が感染を抑制できているように見えます。

感染者の拡大→経済活動制限という経路で経済に悪影響を及ぼしますから、日本の方がコロナによる景気悪化リスクが低いとみて外国人が買っている可能性があります。
日本株上昇理由②:円高を見込んでる?
もう一つは長期的に為替が円高に進むとみているのかもしれません。
日本は低インフレですし、名目金利から物価上昇率を引いた実質金利は高いです。つまり、理屈的にはドル安円高に行きやすい状態です。でも今は円高といっても103円台くらい。
リーマンショックの時は100円を切って円高が進みました。
ちなみに海外投資家から見た日本株をみる際にはドル建ての日経平均をみることも有効です。
円建ての日経平均が変わらなくてもドル建てでは少し見え方が違うことも。ダウよりちょっとパフォーマンスがよく見えますね。
普通は為替リスク(為替の変動にかけて投資する)を取りに行くときに株で持つなんてしないと思いますが、日本は下がったら日銀が買ってくれるという安心感があります。
下値リスクがあまりないということで為替と株価の両方の利益を取りに行っている可能性はあると思います。
日本株上昇理由③:中国経済の回復の恩恵?
もう一つは中国経済回復の恩恵を受けやすいということでしょうか。中国経済は今世界で一番好調です。
ですが、中国は海外とのお金のやりとりを制限していますので、簡単に直接株を買ったりすることができません。
なので中国に輸出している日本の株を買っているということも考えられます。
日本の輸出は中国向けが急速に伸びています。こうしたことも日本株の買い要因になっているのかもしれません。
今後の日本株は?
ポイントは外国人がどこまで買うかというところですね。大規模金融緩和は続くでしょうし、その意味で株価は上がっていくと思います。
ただ、それは必ずしも日本経済や企業の実力で評価されているものではなさそうということを覚えておいた方がいいと思います。
最後に挙げた中国経済の影響であればまだしもコロナ被害が少ないとか、為替リスクの話は長期投資家としてはそれほど高く評価できないです。
従って、高くなっているからと言って日本株インデックスを買うのは私はやめておこうと思います。
まとめ
・11月以降の日本株は外国人投資家の買いで上昇
・日本の感染者が相対的に少ないことや円高を見込んだ買いかも?
・日本経済・企業の実力を評価されたものではないので私は手を出さないようにします